オニオン

●英名:Onion
●和名:たまねぎ(玉葱)
●学名:Allium cepa L.
●科名:ユリ科の二年生草本
●原産地:西南アジア
●主産地:アメリカ、日本、エジプト、イスラエル、ハンガリー、ブルガリアなど

 オニオンの原産地は西南アジアで、ユリ科の二年草である。オニオンは、世界中の様々な料理に使われており、また、最も古くから栽培されていた植物の一つでもある。紀元前3200〜2780年のエジプトの墳墓の壁画には、当時からオニオンが食用にされていたことが記録されている。日本におけるオニオンの歴史は浅く、明治初めに渡来した。

オニオンの品種

 最も古くから使われているスパイスなだけに、現在に至るまでに100種以上もの栽培種があり、今でも次々と新種が作り出されている。

■香味からみた品種は、甘オニオンと辛オニオンに大別される。
 ・辛オニオンは、ルーマニアやユーゴスラビアなどの東ヨーロッパで栽培されている。日本で栽培されているオニオンのほとんどがこちらのタイプである。
 ・甘オニオンは、スペイン、イタリアなどの南ヨーロッパで栽培されている。
■色からみた場合、赤、ピンク、黄、クリーム、白などがある。日本では白色種、赤色種は少なく、黄色のものがほとんどである。
■形からみた場合、偏平形、偏円形、球形、長球形、長楕円形の5種に分けられる。早生種ほど平べったい形状になる。

オニオンの香味

 オニオンには、特有の刺激臭と辛味感、そして若干の甘味感があるが、調理方法によって香味が大きく変わる。

 オニオンを切ったり潰したりすると涙が出てくる。これは、オニオンに含まれるイオウ化合物が、酵素の働きによって刺激臭をもった成分になるためである。
 オニオンを加熱すると刺激臭や辛味がなくなり、甘味が生じる。これは、熱に弱い酵素が働かなくなり、辛味成分が還元され甘味成分に変化するためである。
 上記のことから、料理によって調理方法を変える必要がある。辛味や刺激感を出したい時は、生の状態で切ったりすり潰して使い、味や香ばしさを出したい時は、煮たり炒めたりして加熱するとよい。

オニオンの利用法

■生のままスライスしてサラダに加えたり、すりおろしてドレッシングに入れる。スライスしたものを水にさらすと、辛味をおさえることができる。
■肉や魚の矯臭効果がある。これは、加熱することによって、肉や魚のアミノ酸とオニオンに含まれるイオウ化合物が反応し、特有の風味を出すためである。オニオンの矯臭効果を利用する場合は、加熱する必要がある。
■じっくりと加熱することによって、強い甘味が生じる。オニオンスープやポトフ、ビーフストロガノフなどには、オニオンの甘味が欠かせない。

オニオンの薬効

 古くから民間薬として、消化促進、利尿、月経困難、催眠、けいれん、むくみなどに利用されてきた。また、挫傷などの外用薬としても用いられる。

オニオンの栽培

■種子まきや球根で栽培する。耐寒性があり、気候条件をあまり問わないが、栽培するためには、比較的涼しく、湿度が高く、肥沃な弱アルカリ性の土壌が適する。酸性土壌の場合は、石灰をまく必要がある。
■温暖な地域では、秋に種子をまき、梅雨入り前に収穫する。オニオンは、日照時間が長く、暖かいほど生長が早い。

オニオンとカレー料理

 オニオンは、カレー料理を始め、あらゆる料理に使われている。生でも煮ても炒めても美味しいオニオンは、保存が利くこともあって、常備している家庭も多い。
 オニオンの旨味は、煮込めば煮込むほど、炒めれば炒めるほどに出てくる。じっくり加熱したオニオンは、カレーには絶対に欠かせない。あの甘さと香ばしさが、カレーの旨味増大に一役も二役もかっているのである。カレーだけでなく、世界中のあらゆる料理の旨味増大に頑張ってくれている。言わば、最も調味上手な万能スパイス(野菜)なのである。